◇BLEACH

□私だけのもの
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「なにこれ、寝てる写真ばかりじゃないの」
「だって、日常っていったら、こんなのしかないんだもの!」
 現像した写真を見て、乱菊がぼやき、七緒が反論する。
 一同が大きく頷き納得した。
「あやつ、本当に何処でも寝ているのだな」
 砕蜂が呆れたように、写真を数枚眺める。
「あ、でも良いかもしれませんよ?浮竹隊長も、恐らく寝ている写真が多くなると思うから、対にしたら」
 清音がにこやかに発言をし、皆がそれを受け入れる。
「本当は、元気で格好いいところ見せたいんだけどね」
「でも、ご無理はさせられないでしょう?」
「うん、そうなの」
 勇音の言葉に、清音は頷く。
「ま、いいわ、この中から決めましょ」
 乱菊が納得したように、写真を広げ皆で話し始めた。





 数週間後。書店に春水と十四郎の写真集が並べられた。
 流石は伝説級の隊長二人。
 あっという間に完売し、女性死神協会の懐は潤ったのだった。


「…なんか撮ったのよりも、少ないね」
 ぱらぱらとページを捲りながらも、それでも嬉しそうである。
「全部が全部使える訳ではありませんよ」
 七緒は苦笑いで返す。
「ふうん…」
「あっ…」
 何かが七緒の懐から零れ落ちた。
「ん?ああ、ボクの写真…あれ?こんなの撮ってた?」
「返してください」
 春水の手から奪い取り、懐へとしまう。
 顔を真っ赤にして懐を隠す七緒に、春水は満面の笑みを浮かべる。
「ふうん、そう」
「な、何ですか?」
「…何でもないよ」
 追求した所で、七緒が話す訳はない。
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