文集1
□Before S....
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いよいよ明日に中忍試験本選を控えた前日、その試験に合格せんとする下忍達は、各個人で最後の調整に入っていた。
この試験のダークホースとも言える彼、奈良シカマルは明日に向けて精神統一……もとい昼寝をしていた。
縁側に寝転がって流れる雲を眺めている。
「雲はいーよなぁ…」
雨雲はなさそうなので、明日の天気に問題はないだろう。
「…雨降っても試験やんだろーな……。」
……めんどくせぇー。
そう心の中で呟く。
「……雨、か…。」
自然に思い出されるあの雨の日。うずくまって泣いていた、あの少女。広い額に独特の模様が印象的だった。
「…ありゃあ、何処の誰なんだろうな……」
上着を貸した事を母親に言えず、「無くした」と言って散々怒られた事を今でも覚えてる。(ゲンコツまでもらった。)
「同い年くらいだったよな……。」
額になにかの模様があった。あんなに小さい頃から。
「アイツも忍…か?」
そうでもないとあんなに小さな頃から、額に模様を刻んだりしないだろう。
「…もしかしたら……明日会場に来る…?」
この推測には、来て欲しいという願望も入っている。