文集2

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「大嫌いだよ、君なんか」


そう、大嫌いな筈なんだ。


「そうですか。僕は君がすきですよ、ひばりくん」


思ってもない事言わないで欲しい。こんな場所で。これから僕は、どこかへ行こうとしてるのに。漸く決心がついたのに。

表面だけで作った、そんなやさしさも欠片も無い表情で、その声だけの甘さの中に、僕を再び浸け込まないで。

君をこんなにあいしてるって、今更僕に気付かせないで…!!


「また、戻って来て下さいね?君の還る場所は此処なのですから」

そう言って、その細い指先で僕の頬を一撫で。

嗚呼、まるで鋭利な刃物で優しく撫でられた様だ…




何故、僕は此処から一歩も動けないでいるの、眼を逸らせずにいるの?

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