文集2

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「凄い顔ですね、君」

そう言ってにこりと笑う骸を、誰の所為だと雲雀は睨み付けた。
「僕は君の白い顔が好きなのに」
知らないそんなのと雲雀が言えば、気にも留めずにそうだと骸は手を叩いた。
「顔を洗いに行きましょう?雲雀くん」
「今更何なの君。僕の事散々殴って蹴って、汚してくれたのは君でしょう?」
雲雀の主張等無かったかの様に、骸は無理矢理雲雀を起こすと水場まで運んで行った。
錆びた水道を捻り水を出すと、骸は雲雀の顔を洗い流し始めた。
「ちょ、ソレ位自分で出来る!」
雲雀は骸から離れると、なんとか自分で立って顔を洗った。
骸は辺りの袋を幾つか漁ると、目的の物を取り出し雲雀の前に置いた。
「石鹸はこれを使って下さい。変なモノでは無いですよ、毎朝千種の使っている物ですから」
そう言ってにっこりと微笑むと、骸はどこかへと消えてしまった。
後に1人残された雲雀は、取り敢えず出された洗顔料を手に取り泡立てて沁みるであろう自分の顔へと擦り付けた。
予想していた通りの痛みが襲って来てその痛みに顔をしかめたが、泡だらけの自分の顔をどうしかめたのかは雲雀にはわからなかった。
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