文集2

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何時見ても何ひとつ変わらない天井を、君はずっと見ている事しか出来ないでいた。


そう、僕が君からその力を奪い取ってしまったから。


小鳥の翼をもぎ取って、二度と空へは帰さない様。

君から足を奪って、二度と地を歩かせない様。


嗚呼、僕は異常ですか?愚かですか?

でも僕は、そうしてでも君を離したくは無かったから。


床に倒れて苦しげに粗い息を繰り返す君が愛しくて、君を彩る深紅がとても美しくて、思わず僕は君を蹴りつける足に力を入れた。

途端、君は紅を吐き出す。その様の何と美しい事!!

僕は気付いていた。君の紅だからこそ美しいと感じるのだと(元より君以外の人間に興味等感じた事は無い)。

嗚呼、コレが“愛”なのですか?

愛情というモノと、『もっと君で遊びたい』という世間一般では“狂っている”と言われる感情とが混ざり合って、今の僕の思考を構築している。

まぁ愛情とこの感情とに、あまり差は見られないのだけれど。少しだけ、ほんの少しだけ愛情が勝っていたから、僕は君をあいする事を選んだのです。


君が纏う紅い血を美しいと思うこの感情を…


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