文集1

□夏の思い出
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ここは欧州のどこかにある、エクソシストの総本部。こんな辺鄙な場所にあっても、やはりここは地球の上で。なかなかに、恐らく地上よりも気候の影響を受けるのだった。
そんな真夏のある日のこと。人一倍汚い部屋の、人一倍汚い机の上で、コムイ・リーは連日のように働いていた。
「…………………暑い。なんとかなんないのかなー、この暑さったら……………」
このところずっと、彼は「自動空調機(まぁ一言で言えばクーラー)」の設計に取りかかっていたのだが、流石の彼もこの暑さに邪魔されて、なかなか良い案が浮かばず、遂には行き詰まってしまったのだった。
「う゛ー………何だか頭がクラクラしてきたよ………」
コムイがそう零すと、丁度同じ部屋に居合わせたリーバーが、心配そうに声を掛けた。
「最近働き詰めじゃないですか。少しくらい休んできたらどうです?」
「う゛ー……ん、そうさせて貰うよー……」
コムイがそう言って立ち上がろうとすると、へたりとまた座り込んでしまった。
それを見たリーバーが不信に思って訪ねると、「………どうしよう………立てない………」という返事が返ってきた。
「………熱中症とかですかね?運びましょうか」
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