文集2
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僕の首に絡みつく彼の細い指先。容赦無く力の入れられた綺麗な手。嗚呼、そういえばこんなに冷たい手をしていた。道理で彼はつめたい筈だ。
「ひばりくん、気分はどうですか?苦しくなってきましたか?」
あくまでも楽しそうにこうする彼は、本当に心からこの行為を楽しんでいる様だった。
「ひばりくん、ねぇひばりくん。答えて下さいよ」
僕は既に、殆ど頭まで酸素が廻っておらず、彼が何を言っているのかの理解が出来ずにいた。
そうして意識を手放そうとした時、不意に彼が力を抜いた事が分かった。
何故、僕をころしていってくれなかったの。明日を待っても、一向に君は現れない。僕に淡い期待だけ持たせて、君は随分狡い事をする。
『Ci vediamo』
“また”だなんてそんな不確定な表現で僕をこんな気持ちにさせて、君が何をしたいのかなんて、何にもわからないしわかりたくも無いけれど、結局僕はずっと君に捕らわれ続ける事に変わりは無かった。
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