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□その笑顔とその涙
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「気持ち……?あんなカスに何かを考えた、だと?この俺が?笑い話も大概にしろ」
冷めた目線をくれてやると、XANXUSは再びベッドへ横に成った。
ディーノは困った様に苦笑いすると、そのまま話を続けた。
「お前がアイツ……スクアーロとしていた誓いの事も知ってる…だから髪に羽根を付けてるんだろう?………知ってるんだ。ずっと見て来たから…」
「…………………」
「お前が笑った理由も、知ってる。そしてお前が素直じゃない事だって、オレは知ってるんだ」
「……………おいそこのドカス…今度云ったらド頭カチ割んぞ」
今度こそ青筋の浮き始めたXANXUSに流石に危ないと思ったのか、ディーノが苦笑いの儘諸手を挙げて立ち上がると、XANXUSはディーノの首元を一瞬の内に掴んだ。
「……だから、オレはお前を此処から連れ出してやろうと思ったんだ」


嗚呼。もうとっくに気付いていた。其れが夢では無い事も、消えた何かがアイツだったと云う事も。気付いていて、気付いていない振りをした。何時もの俺を創り出した。即席で無理矢理創った物だから、直ぐにまた元通りに成った。


「………今朝は、久々に良く眠れた」


ポツリと呟いた言葉は、隣で只空を見上げる男の耳には良く聞こえていた。



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