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□失物探
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ねぇ、君はどこへ…どこへ行くの?
伸ばした手は君に届かなくて
僕の手は虚しく空を掴んだ。
行かないで…僕を置いて行かないで!
叫んでみたけど僕の喉から掠れた音が聞こえるだけ
僕の脚は動かなくて
僕の口唇は音を紡ぐ事を許さなくて
君はどんどん遠ざかって行く。
僕に其れ以外君を繋ぎ止める術は無くて
僕は力が欲しかった。
君を繋ぎ止めるだけの、強い力が…
「雲雀恭弥だな」
「雲の刻印のついた指輪の話がしたい」
君に近付く手掛かりが彼方からやって来て。
僕は其れにしがみつく様に、言われる儘に戦った。
僕はもう君を放さない。
君に繋がる事ならば、どんな覚悟でもしてやると。
マフィアだとか、争奪戦だとかはどうでもよかった。
僕は只盲目に、君だけを探し続けていた。
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