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□君とバスと僕の街
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ぼくらはどこまでもふたりで行こうと
バス停からバスに乗り込み
やがて終点が来るとも識らずに
只純粋に
先を目指した。

ぼくらはどこへ行くのだろう
ぼくらに先はあるのだろうか
僕は一言だって文句も言わず
君は僕をこの街から連れ出した
やがて終点が来るとも識らず
ぼくらはバスに乗っていた。
バスの窓から見える景色が
すごいはやさで過ぎて行くのは
まるで今までの道を忘れて行く様で
僕はあまり外に出ないから
ほんの少し不安があった
(きみはぼくをすこしわらった)

やがてバスは終点へ着き
僕は君を連れて降り立った。

「きみはまだかこのえいこうをわすれられませんかすがりついたままですか」

君が泣きそうでも、僕は何も思わなかった。

帰りたいと思っていた。
戻りたいと思っていた。
君は其れを愚かだと嘲った。
僕は帰りたかった。
僕は臆病者だった。
僕は他の世間一般と同じだった。

君は僕に失望した。
ぼくらはどこまでもふたりで行こうと
バス停からバスに乗り込み
やがて終点が来るとも識らずに
只純粋に
先を目指した筈だった。



僕は君を置いて、ここから先へと進むバスへと乗り込んだ。
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