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□ポッキーゲーム
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「問題!今日は何の日でしょう!」
柚木がおはようと声を掛ける前に、火原が柚木に元気よく訊ねた。
「……さあ、わからないな」
柚木が困った様に返すと、火原は楽しそうに笑った。
「じゃん!コレの日でした」
そう言うと火原は鞄からお菓子の箱を取り出した。
「…ポッキー?」
「あれ、知らない?CMでよくやってるよ」
「へぇ…食べた事無いな」
「うっそー!?じゃあ食べるべきだって!!」
そう言って火原は箱を開けて袋からお菓子を取り出した。
「はい柚木!あーん」
火原が子供にする様にお菓子を持って柚木に差し出すと、柚木も素直にパクリと口に入れた。
「ん…美味しいね」
「だろ!この味を知らずに生きて来たなんて考えらんないよ」
火原がしみじみと言うと、柚木がおかしそうに笑った。
「そうだ火原、面白い事を思い付いたよ」
「何?」
「このお菓子をくわえて目を閉じていて」
「うん、わかった」
大人しく従った火原のくわえたお菓子の先に、柚木が徐に噛み付いた。
そのままかじって近付いて、火原の唇に触れるギリギリまでを食べてしまった。
びっくりして固まっている火原を残して、柚木は「御馳走様」と言って笑っているだけだった。


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