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□Mazzo di Rosa
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今日は愛しい貴方の誕生日。
だから、僕も何故だか嬉しくて。

それはきっと、貴方が大好きだから。






Mazzo di Rosa






―――コンコン

すっかりと日が暮れて、辺りは暖かい橙の色に包まれた頃。
いつもと同じ様にノックされた扉。
きっと彼だろう、と思い、僕は何処か弾む心を抑え、静かに扉を開ける。

「骸…?」
「こんにちは……もう、こんばんはですかね…?」
「…何それ」

僕の顔を見るなり、にっこりと微笑む骸。
一方僕は、そんな骸に顔を顰める。
何故ならば…骸の手には、抱えるのが困難と思える程の大きな花束。

「今日、雲雀君の誕生日でしょう? つい嬉しくて、沢山買ってしまいました」

クフフ、と笑いながら、僕に花束を手渡す。
いくら花とは言え、これだけの数が束ねられているのだから、少しは重いだろう。
その重みに少し吃驚して、慌てて受け取った。

「…多いよ。大体、何で君が嬉しがるの…?」
「だって、雲雀君の誕生日ですよ?この日が無ければ、君はこの世界に生まれて来ませんでしたもの」

だから、とてもおめでたい日でしょう?

そう言って、再び骸は微笑んで。
僕は何だか恥ずかしくなって、頬を少し赤く染める。

僕の手には、赤と白の薔薇の花束。

「よく、こんなに買えたね…」
「この日の為に、取り寄せたんですよ」
「…そこまでしなくて良いのに」

骸の気持ちは凄く嬉しい。
嬉しいけれど…こんなに祝って貰えるなんて、初めてだから。
正直、どうして良いのか分からない気持ちでいっぱい。

「本当はもっと買いたかったんですけどねぇ…」

雲雀君の部屋が薔薇で埋め尽くされる程に。

「そうだったら、素敵でしょう?」
「いらないよ、そんなに…」

嬉しくても、さすがにそこまでいくと、少々困ってしまう。
だから、このくらいが丁度良い。

…それに。

「…僕は、君が祝ってくれれば、それだけで良いの、に…」
「え…」

ぼそり、と小さく呟いて。
再び恥ずかしくなって、顔を背ける。
けれど。
しばらく経っても、なかなか反応が無い骸を不思議に思って、
ちらりと骸の顔をうかがう様に見ると。

「…雲雀君、可愛すぎますよ…」
「!」

僕と同じくらい、頬を染めている骸の姿。
吃驚して、思わず目を見開いてしまう。

「あんまり可愛いと…キスしてしまいますよ…?」
「…いつもは何も言わずにするくせに…」

改めて言われる方が、よほど恥ずかしい。

「雲雀君…誕生日、おめでとうございます」
「…ありがと」

その言葉が嬉しくて、君が来てくれた事が何よりも嬉しくて―――
骸に釣られるように、微笑んだ。
そうしたら、骸にそっと抱き寄せられて。

何十本もの薔薇の花を挟んで、僕達は口付けを交わしたのだった。







〜あとがき〜

誕生日!という事で…相変わらずのバカップルです(苦笑)
きっと、骸さんはサラリと気障な台詞も言えちゃうと思います。
それでもって、薔薇の花束とか持ってきそうです…!
それが嬉しいけれど恥ずかしい雲雀さんは、照れちゃうんですよね、きっと…!

それでは改めまして。
雲英様、誕生日おめでとうございますv
以前、素敵な誕生日小説を頂いたので、お返しも兼ねて、
(独断で)書かさせて頂きまし、た…!(ドキドキ
こちらは雲雀さん誕生日バージョンで…v
少しでもお気に召して頂ければ…!と思いつつ。
いりませんでしたら、どうぞスルーしてやってくださ…!(汗


め、滅茶苦茶嬉しいですっ!!
はわぁ〜…あ、ありがとうございましたッ!家宝にします!!
 

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