文集1

□Before N....
1ページ/2ページ

いよいよ明日に中忍試験本選を控えた前日、その試験に合格せんとする下忍達は、各個人で最後の調整に入っていた。
その下忍の中でも、うちはサスケ、砂漠の我愛羅とともに注目されている天才・日向ネジ。
彼は今、精神統一のために瞑想にふけっている真っ最中であった。
「…いよいよ、か。」
閉じていた色素の淡い綺麗な瞳をうっすらと開き、彼は呟いた。
「明日……もしかしたら、話せるだろうか?」
彼が話したがっているのは、昔の探し人。
それがこの中忍試験の予選でふ、と名前が知れた。
「…奈良、シカマル。」
この下忍が、本当に探し人なのかは定かではないが、幼い日に雨の降る中出会った少年にとてもよく似ていた。
「もし、あの少年が本当にアイツならば…借りた上着を返さなければ、な。」
雨の中自分の肩にかかった、今となっては小さい上着。それを返したい。
「礼も言わねば。」

だが、それだけだろうか。
本当にそれだけの為に、アイツと話したいのだろうか。



しばらくして、ふと気付く。


「…俺は、話しかける理由が欲しいのか……?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ