文集1

□小さくて大きなモノ
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アナタが死んで、何が変わったのだろう?

相も変わらず世界は回り、何事も無かったかの様に、また朝がやってくるのだ。

「おはよ、ネジ」
この、朝の挨拶も変わっていない。
只、ソレに返事は無い。



もう、かれこれ2年は過ぎたと思う。
彼がいなくなってもうそんなに経つのかと思うと、自分でもびっくりする。
自分には、今も隣に彼がいる様に感じられるから。
前にそんな事をいのに言ったら、「本当に、そこに居るのかもしれないわね。アンタ達、本当にお互いの事しか考えて無い感じだったから」等と言われた。
本当にそうなら、嬉しいと思った。

昔、誰かが言っていた台詞に、「人は命が消えた時に死ぬのではなく、人々の心から忘れ去られた時に死ぬ」というのがあった。
アンタは「早く忘れろ」って言うかもしれないけど、俺はこの2年間、1日として忘れた事は無かった。

まだ、顔も、声も、匂いも、正確に思い出せる。
アンタの中で、最初に死んでしまうのはどこだろう?
俺が最初に殺してしまうのはどこだろうか?
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