文集1

□きみのとなり
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「昨日は何してた?」
お茶を湯呑みに注ぎながら、シカマルは隣のネジに訊ねた。
「昨日は…砂まで行ったよ。大した事は無かったんだが、怪我人が出てしまってな」
ネジが湯呑みを受け取りながらそう言うと、シカマルは自分の湯呑みに口付けながら返事を返した。
「アンタは平気だったのか?」
「オレは全く何とも無いよ。ありがとう」
ネジはお茶を一口飲むと、熱かったらしく吹いて冷ました。
シカマルは熱いのにも関わらず、お茶をゆっくりと飲み始めた。
「そか。なら良いや」
シカマルは家から引っ張り出してきた煎餅を摘むと、空いている片手をネジの手に重ねた。
「し、シカマル?!」
ネジは思わずお茶をこぼしそうになりながらシカマルを見た。
「アンタ相変わらず面白ェな」
シカマルはクスクスと笑いながらネジを見ると、顔を近付けてネジの頬に口付けた。
「〜〜〜っ」
ネジは頬を真っ赤に染めながらもシカマルの手を握り返した。
シカマルはにっこりと笑うと、また煎餅を食べ始めた。
ネジも漸くお茶を飲みだすと、シカマルがポツリと呟いた。
「好きだぜ、ネジ」
ネジはお茶を飲み干すと、十分な間を置いて返事をした。
「オレもだよ、シカマル」
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