文集1

□私とワルツを
2ページ/20ページ

「ふぅ………この辺まで来りゃあ追って来ねぇだろ………」
奈良シカマルは、深い森林の中までなんとか逃げ切り、大きな木の根本に座り込んだ。
「こりゃほとぼりが覚めるまで外出れねぇな………」
一息吐くと、シカマルは困った様に呟いた。
ふと、温かい匂いが漂って来て、近くに民家がある事がわかった。
近付いてみれば、その小屋には住人の姿は見当たらなかった。
「お、ラッキー」
シカマルは小屋に忍び込むと、住人の姿を捜した。ひとつひとつ部屋の扉を開けて中を確かめる。見る限りでは、1人暮らしの様だった。
『こんな山奥で1人暮らし………こりゃあ爺さんでも住んでんのか?』
シカマルがそう考えた時、真上から何かが落ちて来た。
「っおぉ!?」
間一髪の所で避けると、上から人が降りて来た。
「お前……何者だ?何が目的なんだ?」
シカマルの予想とは大きく外れ、この小屋の住人は、シカマルと同い年くらいの少年だった。
「あ、いや………不法侵入しといて難だけどよ、匿ってもらえねぇか?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ