文集1
□FlowerThatBloomsOnTheMoon
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ハッと気付くと、目の前は真っ暗闇。
まさか自分は寝ても起きても夢の中なのだろうか。そんな事を考えてしまった。
「ん……」
隣でもぞっと何かが動いた音がして、触ってみたらいつもの慣れてしまった彼の体温。安心している自分がいた。
「リーバーくん、ほら起きないと。珍しいよ?ボクが先に起きてるのって」
彼は何か重要な事にでも気付いた様に、びっくりして起き上がった。
その様子が少し可笑しくて、ボクはクスクス笑ってしまった。
「〜〜〜、笑わないで下さい…」
不満そうに起き上がると、彼は服装を正してボクに手を伸ばして来た。
「ほら、早く行かないと仕事は溜まる一方ですよ」
「うん、知ってる。でもね、ボクは君にして欲しい事があるんだ」
ボクが笑ってそう言うと、彼は困った様に微笑んだ。
「1回だけっスよ?」
「ありがとう、リーバーくん大好き!」
「ゲンキンですねぇ」
彼の顔が近付いて、ボクの唇に彼のそれが重ねられた。
予想に反して少し長めのキスをした後、彼はボクの手を取った。
「さ、行きましょ?」
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