文集1
□骸雲:お別れの謳
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左様ならを貴方へ。
何時かまた、何て期待を持たせては可哀相ですから。
責めて、君が僕を心置きなく忘れられる様に。
「君を、愛していたんですよ」
今更の様にそう云う僕は、狡猾でしょうか。
僕が最後に君にしてあげられる優しさは、そんな事しか無いのです。
嗚呼、どうか君が 独り涙する事のありません様。
君の姿を見るのもこれが最後だと思うと、途端に君が愛おしく感じて。
もう一度 理解り辛いけれど僕の本当の気持ちを囁き、今までのどんなキスより優しいキスを 君に残していきます。
――――Mi piacque moltissimo la Sua cosa.
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