文集1

□短文集
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「ひばりくんひばりくん」

アイツは僕の名を呼ぶばかり。

「ひばりくんひばりくん」

そうすれば僕を捕らえられると思ってるんでしょ。

「ひばりくん、僕はひばりくんがすきですよ」

そう言えば、僕が靡くと思ってるんでしょ。

「ひばりくんひばりくん」

うるさいうるさい。

「ひばりくんは、僕の事がすきですか」

何で僕に訊くのかなそんな事。云わなくても理解っている癖に

「ひばりくん、ねぇひばりくん」

僕が本当にどう思ってるか何て、僕にも理解らないのに。

「…では、僕は失礼しますね」

……何で

「ひばりくん、お風邪等召されない様」

(なんできみはくすりとえんでゆくの)

何時ものしつこさは何処へ消えた?

「何て顔してるんですか」

(またふわりとほほえんで きみはぼくのほおにふれた)

そんな風にしてそんな事を云うから、僕は怒って君の唇に自分の唇を押し当てた。

「…っ、ひばり……くん…?」

君の驚いた顔(ざまぁみろ)僕は楽しく成って仕舞った。





「あいしてるよ むくろ」






嗚呼、僕の口はその直後に後悔した。



06/6/30
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