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□うそつきのあくま
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だから、悔しいから、好きだなんて言ってやらない。
あなたは決してあなたを他人に晒す事なんてないのでしょう?
笑って人の良い顔をして茶化して
そうして私を、みんなを、全てを、自分を騙すのでしょう?
「本当だって、」
そんなこと、分かっている 信じているよ。
だから、悔しいから、好きだなんて言ってやらない。
彼が、自分を見せてくれるまで。…私を、好きにさせてくれるまで。
へらへら笑って誤魔化している間は、絶対に言ってやらない。

詮索は、する気は無い。
ただ、自分を偽られるのが気に食わない。
そんな詐欺師みたいな顔で、悔しいけれど格好良い顔で。俺は、直ぐにコロッと騙されるような簡単なつくりはしていないんだ。
そう言うのなら、こんな俺さえもそう思わせるくらいにまで男をあげるんだな。
「なあ、ティエリア。俺と付き合ってくれないか?」
「…1週間以内に、僕をあなたを好きにさせたら、付き合ってあげますよ」
さて、その間を、僕は楽しませて貰うとしよう。彼がどんな手で僕を誘惑してくれるのか。
悔しいから、それくらいは良いだろう?




end?
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