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□ああ 僕の大好きなひと!
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静かな部屋にぐすぐすと、小さな嗚咽が鳴っていた。
各々に与えられた小さな部屋に、ひとりの人間がベッドに腰掛けて俯いていた。
『それっくらいで泣いてんじゃねーよ、男だろうが』
彼の頭の中に、呆れたような口調で声が響いた。
「男だから、っていうのは…差別だよ、ハレルヤ」
『うるせえな、俺にそう言われたくなかったら泣くんじゃねえよ』
ハレルヤがぶっきらぼうに言い返すと、アレルヤはクスクスと声を漏らした。
「ハレルヤ、慰めるのへただね」
『俺は慰めてなんてねえぞ。怒ってんだよ、お前のヘタレっぷりにな』
「ヘタレって…ひどいなぁ」
『訓練如きで失敗して一々泣く奴がヘタレじゃなきゃ何だってんだよ?』
ハレルヤの精一杯の言葉に、アレルヤは笑顔を作った。
「そうか…そうだよね。ごめん、ありがとう ハレルヤ」
『気は済んだか?』
「うん」
彼はすっくと立ち上がると、にっこりと笑った。
「さて、ごはんでも食べに行こうか」
扉を開くと、丁度目の前をロックオンが通り過ぎる所だった。
「おー、アレルヤ。ひとり反省会は終わったか?」
「ううん、ふたり反省会だよ ロックオン」
アレルヤが楽しそうに言うと、ロックオンは頭にクエスチョンマークを浮かべてアレルヤの後ろを覗いた。
ロックオンの様子を可笑しそうに笑うと、アレルヤはロックオンに手を差し出した。
「君も今から食堂だろ、早く行こう?」
「ああ、そうするか」
ロックオンはどうやら深く考える事を止めたらしかった。
ハレルヤはそれを見て笑っていたが、それはアレルヤにしか聞こえなかった。


君が流した涙、いつかきっと笑顔にかえてみせるから!




end
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