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□せいぎのみかた
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*ちきゅうですヨ
「てめえ、どこに目ぇ付けて歩いてやがんだよ、ああ?!ぶつかったらごめんなさいだろうが!!」
「ぶつかって来たのはお前たちだろう。俺が謝る理由はどこにも無い」
「んだとてめえ!お高く纏まってんじゃねぇぞこら!」
「まーあ まてまておにーさん。ごめんなあ、うちの子がちょっと愛想悪くてなー。許してやってくれよ、これでも悪かったなあって思っちゃあいるんだよ」
俺が困った時には、どこで嗅ぎ付けたのか、必ずあなたが颯爽と現れる。
「な!俺は別に…っ」
「ティエリア、ややこしくなるから今はナシな。悪かったなおにーさん。ここはほら、穏便にな」
「…チッ 殴る気も失せちまったぜ とっととどこへでも行きやがれ」
「ふー。危なかったなあ ティエリア」
まるで太陽のように、眩しい笑顔で俺に言うあなた。
「…、あんなもの、あなたの助けを借りずとも、ひとりでどうとでもなった」
「お前ひとりだったら、相手を殺しかねねーだろーが」
「そのほうが手っ取り早い」
「だからそれがダメだって言ってんだよ、俺は」
こうして厄介事に自分から首を突っ込む者を、お節介と言うのだろう。
それなら彼は、きっと世界一のお節介だ。
「…あなたは馬鹿だ」
「それは自分でもわかってっから、それ以上は言わないでくれよ…」
「何故他人に構う?見捨てておけば良い。厄介事は少ない方が良い、と考えるあなたらしからぬ行動だ」
「だってさ、ティエリアは俺にとっては家族みたいなものだから。家族が苦しんでるのに、黙って見てはいられないんだよ」
そしてきっと、彼は世界一の……
「………せいぎのみかた、みたいですね」
「ん?なんか言ったか?」
「いえ、何でもありません」
そういうヒトの事を、言うのでしょう?
end