感情の裏側

□布団。
1ページ/1ページ




喧嘩ってすごいね。
普段思ってる事つい口からポロっと出ちゃうんだね。



『下手な句ばかり書いてないで私のために外出許可くらい出してください!!』


「あ"ぁ!?」




「…下手な句…!!」


「総司。てめぇ殺すぞ」


『どうしても外に出たいんです!!
もういい加減引きこもり生活は飽きたんです!!』






「てめぇ今まで一人で出かけてきた事を思い出してみろ。」

『え…』


「人が心配しながら外出許可だしてやる度に迷子になりやがって!!!!!」


『うぐっ…、そ…それは!』



「とにかく駄目っつったら駄目だ!!」


『…土方さんの馬鹿。禿げてしまえ』






「……斎藤。刀を貸せ」


『ぎゃあああああすいませんすいません!!!』





斎藤さんも貸そうとしないでよ!!
武士の魂なんだろ!!!




「いいかなまえ。お前は一人で外に出ると確実に迷子になる。それは自分でもわかってるだろ?」


『……まことに残念な事に毎回の如く迷子になってます』


「そうだ。それにただ迷子になるだけじゃねえ。」

『…………いつも千景さんにばったりと会います』

「そうだ。わかってんなら大人しくしてろ」

『それでも外に出たいんです!!!』





「なんでだ。」



『暇なんですもん』

「………。お前…」












「…副ちょ、」



斎藤さんが止めようとするも遅かった。








「いい加減にしやがれっ!!!!!!!!!!」








「怒らないでくださいよ土方さん」

「総司は口挟むな」

「でもなまえちゃんだっていつも一人だし暇だよねぇ」


『そうですよ!!皆さん私の千鶴を連れて行っちゃうし!』



今日も平助が連れていっちゃった!!

『平助帰ってきたら覚悟してろよ…!!!!』










「やべえな平助。逃がしてやらねえと」

「だな。左之、お前はなまえをどうにかしろよ。俺はその間に平助を逃がす」


「あぁ。わかった」



『左之さん、新八さん。聞こえてますからね』






「なまえ!!」

『なんですか!もう説教なんて聞きませんよ!!!』


「外に出せないのは俺だって悪いとは思ってる。だが…」


『…………わかりました。土方さんの言うとおり大人しくしてます』


「…ハァ。悪いな」



困った顔をする土方さん。
ちきしょう、何も言えなくなっちゃうじゃんか。












___
________
___________________















『…暇。ヒマ、寝よう』




「遊びに来てあげたよ」

『結構ですそんな気分じゃなくなりました帰ってください』


「酷いなぁ」


『なんで入ってくるんですか』

「だってなまえちゃん不機嫌そうなんだもん」

『わかってるなら出て行ってください』

「やだ」





『………』



寝よう。そうしよう。










「寝ちゃ駄目だって」

『寝たいです』

「苛々してないで」

『してません』


「してるよ。」


『総司君、怒りますよ』


「もう怒ってるよね」







『………………。』

「無視?」


『総司君って人を苛々させるの上手ですよね』


「自分でもそう思うよ」

『そうですか』



誇らしげな顔すんな。
ムカつく。




「一緒に寝てあげようか?」

『ふざけないでください。今すぐ部屋から出てけ』


「冗談だよ」

『冗談じゃなかったら土方さんに言いつけてますよ』





「喧嘩したばっかりなのに?」

『喧嘩なんてしてません』

「してた」

『してないです。
私を不機嫌にさせに来たんなら今すぐに出て行ってください』


「やだって」

『…もういいや。どうぞご勝手に』



「うん。じゃあ一緒に寝よう」

『何言ってんの!!?』







(早く寝なよ)
(布団から出てください。そしたら寝ます)
(よしよし。)
(ちょっ、頭撫でんな!縮んじゃう!!)
(これ以上縮んだら消えちゃうよ)
(黙れ。さすがに消えはしない)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ