あの子のリボンは僕のもの

□土方先生とクリームパンの人
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「おはよー…千鶴?」

「おはようなまえちゃん!」

「な、何その大量のクリームパン…」


「机の上にたくさんあったから…」

「…一個貰っていい?朝ご飯食べてない」

「どうぞ!」


千鶴の可愛い可愛い可愛い笑顔と共に渡されるクリームパン。
千鶴のその笑顔だけで私はもうお腹いっぱいさ。


「わー。薫君の大好きなクリームパン」

「別に大好きじゃないよ」

「……いつからそこに」


後ろから声がしたかと思うと何か不機嫌そうな顔の薫君。

「今。千鶴、俺も頂戴」

「はい!」



だが千鶴と話したとたんに機嫌が良くなったように見える。
本当シスコンだな。

「そういえば今日体育あったよねー」

「三、四限目が体育だよ」

「え…嘘。マジかよ」

「なまえ運動嫌いだもんね」


「…サボろうかな」

「サボりは減点」

「風紀委員だったんだっけ…薫君」

「頑張ろうよなまえちゃん!」


「出来ないわけじゃないのに。」

「嫌いなのー」



それに体育って…
永倉先生だし。苦手だ、あの人。

「あー…日焼け止め塗ろう」

「まだそんな季節じゃないだろ」

「日光侮るなかれ!!!」

「うるさい。」


薫君って私に対して冷たくない?



「あ、授業始まっちゃう!」

「わー。一限目古典じゃん」

「めんどくさい」



「薫君、土方先生嫌いだっけ?」

「さぁ?」





さぁ?って何だよ。
好きでも嫌いでもないって事か。

さっきまでクラス騒がしかったのに土方先生が教室に入ってきたのか皆は一瞬で静かになった。


恐るべし鬼教師。


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授業も無事終わり(土方先生の説教が無かった)
二限目も今終わったところ。

「あーめんどくさい。やっぱサボりたい」

「ほら、一緒に着替えに行こう?」

「うん…」






千鶴に言われたら行くしかないだろ。
あの、何ていうか…本能が何か、アレなんだよ。うん。


千鶴と廊下を進み、着いたのは更衣室。



もうほとんどの女子は着替え終わってるみたいだ。

と、いう事で私もジャージに着替える。





「……………なまえ?」

「え、何?」

「………成長してない?」

「……何が?」



何を言い出すんだ千鶴。
身長か、身長の事を言っているのか。

成長したどころか最近縮んでるよ!!!!


「身長じゃなくて…胸」


「…………………ま、まさかぁ!!!」

「え、でも…」



何を言い出すんだ本当に!!!
胸なんて無いよ!ぺったんこだよ!!


「片方でも私にあればなぁ…」

「片方って…何言ってんのこの子は…」


「いいなぁ…」と呟いて落ち込む千鶴。
どうしたんだこの子は。

「気にしたら負けだ千鶴!」

「いいなぁなまえちゃん、身長低いのに胸はあるなんて…」

「今身長低いって言った?」



ショックです…とうとう千鶴にまで言われた。

ってか。胸囲とか普通です普通。標準。
標準どころか無いかもしれない。

「千鶴〜…気にしすぎ」

「なまえちゃん…」

「そんなに言うんだったら好きな人に大きくしてもらいなよ」

「ななな、何言ってるの!?///」

「…お、おぉ…何その初々しい反応」


「あ…、早くしないと怒られちゃう」

「ホントだ。」


体育館まで千鶴と走る。
あーだるい。
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