あの子のリボンは僕のもの

□お弁当箱
1ページ/1ページ



体育の授業も無事終わった。
そして今は千鶴と薫君とお昼タイム。




「なまえちゃん。」




「…あ、クリームの人。」


さっきの体育館で会ったばかりのクリームの人が居た。


すると千鶴が驚いたような声をあげる。


「沖田先輩!」

「沖田、なまえから離れろ」


………え、何で薫君怒ってんの?
確かに抱きつかれてるから迷惑極まりないけど。


「ちょっ、離れてくださいクリームの人。そしてお弁当箱返してください。」


「クリームの人じゃないよ。
はいコレ、お弁当箱」

「お帰り私のお弁当箱。」



「なまえちゃん…」

「気持ち悪いよ」

「薫君ストレートに言わないで」



すると後ろから手が伸びてきて私の今日のお昼ご飯、チョコクリームパンが奪われた。



「チョコクリームか…。まぁいいや。貰っていくね」

「オイ返せチョコクリームの人」

「やだ。じゃあね千鶴ちゃん、南雲薫。
それからお弁当おいしかったよなまえちゃん」















おいしかったよじゃねぇよコンチクショー!!!!!
私はいちご牛乳しか飲めなかったんだよ!!
そして今日も結局お昼はいちご牛乳だよ!!

「またいちご牛乳か…」

「はい」


「え、」



明日は槍でも降るのだろうか。
あの薫君が、クリームパンを愛している薫君が私に半分くれた。

「ありがとう薫君!」

「……それあげたんだから沖田と関わるなよ」

「ん?何で?」

「いいから」


不機嫌そうな薫君。
どうしたんだろうか。




「なまえちゃん良かったね!
私、お菓子持ってきてるけど食べる?」

「わー!!千鶴もありがとう!食べる!」



「あ。」

「?」



「明日、俺に弁当作ってきて」

「………は?」

「薫…なまえちゃん一人暮らしで大変なのに…」


「いや、別にいいけどさ…私が作ったのでいいの?」

「うん」




うんって…私そんなに料理上手くないけど。
千鶴が作った方が美味しいんじゃないかな。

「ごめんねなまえちゃん」

「ううん、別にそんなに困るわけでもないからいいよ。ってか何で千鶴が謝るの…?」



「じゃあよろしく」


そう言うと薫君は私のいちご牛乳を少し飲んでから教室を出て行った。



「薫君委員会?」

「うん。」

「そっか…。そういえば薫君って風紀委員だっけ」

「そうだよ。どうして?」

「いや…うん、何でもない!」









(いちご牛乳飲まれちゃった)
(ご、ごめんね!!)
(ううん。大丈夫だよ!ってかこれじゃ間接キスじゃんね)
(なまえちゃん!?///)
(一々反応が初々しいよ…千鶴…)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ