あの子のリボンは僕のもの

□学校
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『おはよう千鶴ー!!!!』

「おはようなまえちゃん。昨日はどうだった?」

『薫君が私にブレスレットをプレゼントしてくれた!』

「薫が!?」


『私は一生薫君の奴隷らしいよ』

「ど、奴隷って…」


それより。

『千鶴はどうだったの?』

「私?」

『うん。』

「別に…買い物付き合っただけだよ?」

『えー!嘘だぁ!他になんかあったでしょ!?』

「無いよ」




本当に無いみたいだ。
マジかよ。

「なまえちゃんのほうこそ薫と何か進展はあったの?」

『え?進展って何?下僕から奴隷になったとか?』

「そ…そういう事じゃなくて…。」

『手ぇ繋いだよ』

「………そっか。」



ハァ…とため息をつく千鶴。

『どうした?』

「ううん…。あ!そういえば…」




バァァァァアン!!!!!


『何!?』

「…隠れなきゃ」

『は?』

「私、今から何とか逃げるから居ないって言っておいて!」


そう言って生徒会長にバレないように隠れながら逃げる千鶴。

千鶴…大変だったんだね。

「おい」

『はい?』




後ろを振り向くとドアップで生徒会長。

『な、何ですか…?』

「ここに千鶴がいただろう」

『ち、千鶴なら今さっき先生に呼ばれて何処か行っちゃいましたよ』

「そうか…ならばお前が相手をしろ」

『………訳わかんないんですけど。』

「俺の暇つぶし相手にしてやると言っている」

『結構です』



何で偉そうなんだよこの人。
大体私は暇じゃねーよ。

「留年生徒会長。何してるの」

「…貴様は南雲薫…」

『薫君!おはよ!!』

「おはよう。朝から馬鹿だねなまえ」

『私薫君になにかしたっけ…』


朝から笑顔で私に罵声をプレゼントしてくれる薫君。
かっこいいから何も言えないのである。

「いい加減気づいてくれなきゃ俺も困る」

『?』


疲れたような顔をしやがる。

「で?何なのこの人」

『生徒会長。』

「そんなの知ってるよ。なまえは俺を馬鹿にしてるの?」

『ち…、千鶴に会いに来た生徒会長さんです…』




何でこんな怒られてんの?

薫君と生徒会長が睨みあう。




バッ

『は…?』

「貴様、名はなんという?」

『みょうじなまえ…です』

「なまえ…お前は今から俺の嫁だ」


「『却下で』」


何で薫君まで却下してんだ。

「照れるな。」

「お前馬鹿だろ」

『ちょっ、薫君!?』






最後に何かキラキラしながら帰っていった生徒会長。


そして目の前にはイライラしている薫君。

『薫君…?』

「…。」

『薫くーん…』



私のほうに見向きもしない薫君。

『薫!!』

「なに?」


名前を呼び捨てにしたらやっと返事をした薫君。
おまっ、わざとだったのか!

「なまえ。他の男に近づくの禁止」

『薫君は私をなんだと思ってるのさ。』



彼氏か!なんてツッコみたいけど暴言吐かれそうなので言えない。

「なまえ」

『んー?』




















「好きだよ」










『クリームパン?私も好きだよ』


薫君の手にはクリームパン。
沖田先輩が持ってきたクリームパン。

「邪魔しないでよ、沖田。」

「ダメだよ。なまえちゃんは僕が貰うから」

『何の話?私どっちかの下僕か奴隷になるの?』



どっちも同じか。下僕も奴隷も。

「…難しそうだね」

「馬鹿だから」

『え?何?』



そんな可哀想なものを見るような目で見ないでよ。


『沖田先輩は何しにきたんですか?』

「今日遊ばない?」

『?』

「二人で」

「ダメ」

「君に聞いてないよ」

『沖田先輩とですか?』

「うん」



何か裏でもあるのだろうか。
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