あの子のリボンは僕のもの

□シンデレラ
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今日は待ちに待った文化祭一日目。





「じゃあみんな、気合入れていくわよ!」



誰よりも気合の入ってる委員長。

そして私はボロッボロのドレスへと着替える。



「なまえ、似合ってるよ」

『そうか、薫君は演劇が始まる前から私を苛めたいんだね』



布キレを縫い合わせたようなドレスが似合うのか…。




『薫君の女装姿はめちゃくちゃ似合ってるね』





何だろう、継母役って言うより普通に綺麗なお姉さんだ。


「うるさい」

『あ、拗ねた』





薫君がそっぽを向く。


『ごめんってー。』


「ハァ…クリームパン」

『おごります』


「ならいい、許す」




クリームパンで簡単に許す薫君。可愛い。




「なまえちゃん、薫!」


『…っ!!!』

「…変態、鼻血でてる」

『か、可愛っ…!!!』

「なまえちゃん!!?どうしたの!?」

『千鶴可愛い、後で写真撮らせて…』


「え?」

「無視していいよ、千鶴」

「でも…」








可愛いドレスに身を包んだ千鶴。
あの可愛さは生殺し…!!!


おっといけないドレスに血がついてしまう。




「出番よ!」

『はーい!』


委員長の声。
演劇が終わったらケーキ食べたい。



そんな事を考えていると、千鶴が私の手を握った。


「がんばろう、なまえちゃん!」

「終わったら一緒ご飯食べに行ってあげるよ。」












そんな約束をしながら、私たちはステージへとあがった。













では皆さん、ここからはちょっとズレたシンデレラの世界を楽しんでください。

















小鳥がさえずる気持ちのいい朝、シンデレラは庭の掃除をしていた。

するとそこへやってきたのは義理の姉、千鶴。




「シンデレラさん、頼んでおいたドレスは用意できましたか?」



『はい、お姉様。このとおり…お姉様に似合うようにこのシンデレラが誠心誠意つくしてお作りいたしました』


「可愛い…!とっても素敵です、シンデレラさん…!」


『お姉様の方がとても素敵で、可愛らしいです…あぁ私の作ったドレスなんかがゴミに見えます…!!!』


「そ、そんな…(なまえちゃん…迫真の演技…!!)」








「「「「(何だ…あの姉とシンデレラ…)」」」」




若干観客が引き気味ですが、話は続行。




姉とシンデレラが仲良くしていると、現れたのは意地悪な継母!
なんという事でしょう、シンデレラの天敵が!



「シンデレラ、お腹が空いた。クリームパン買って来い」


「「「「(パシリ!!?)」」」」


『(薫君、今素だった…)お母様、私これからお掃除が…』

「そ、そうです…お母さん、シンデレラさんを扱き使わないでくださいっ…」

「………千鶴が言うなら仕方ない」





と、とことん姉には甘いお兄さ…じゃなかった継母でした。






 
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