感情の裏側

□千鶴は私の嫁
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ギスギスと、空気が悪くなった広間。
どうしよう…泣いていいかなこれ。


すると近藤さんが私を安心させるように笑顔を向けてくれた。

何て優しい人なんだ…!



「まぁまぁ…えっと、君の名前を教えてくれないか?」


『みょうじなまえです!』


元気良く答えると「元気で良い子だ!」と褒めてくれた。
敵かもしれないのに優しくしてくれるなんて近藤さん良い人すぎるよ!!!




「じゃあ、君はどこから来たのかな?」


『……どこからってそりゃあ日本です…』

「いや…そういう事ではなくてだな…」





近藤さんは苦笑した。
私はどう答えればいいのか分からない。

どこから来たと言えば信じてくれるのだろうか。
すると私の思考を邪魔するように土方さんが「おい」と口を開いた。



「そんな事はどうでもいい。
お前は何の目的があってここに来た?」





土方さん…あなた今どうでもいいって言いやがりましたね。
どうでも良くないんですよ!

でもこの人たちに嘘を言っても無駄。
なら開き直った方が良いんじゃないかな、うん。




『さっき沖田さんにも言ったとおり、未来…ていうか別の世界っていうか…そんな感じのところから来ましたって言っても信じてくれないのはわかってるんですよ?だけどそれは事実だから仕方がないことだし今更嘘ついてもそれが嘘だって簡単にわかっちゃうだろうしそれに…」



「だぁぁあもういい!!!!」





痺れを切らしたように土方さんが声をあげた。



『聞いてきたのはそっちなのに…』

「うるせぇ!」





周りの人達は呆れた顔をしていた。
すると近藤さんが困惑した表情で私の名前を呼ぶ。



「…みょうじ君…言ってる事がよくわからないんだが…別の世界から来たというのは本当かな?」


『…はい。信じてもらえないかもしれませんが私はもっと先の未来の平成に生まれた人間ですし、刀を握った事もなければ着物の着方すら分からないただの一般人です。だから土方さん、そんなにシワを深くして私を睨まないでください。シワの跡が残っちゃいますよ。』


「斬るぞテメェ」

『ええぇ…あんまりですよそんなの…!!』







しかし土方さんの眉間のシワは深くなっていくばかり。

そして土方さんに対する私の態度が気に食わなかったのか、沖田さんの隣に座っていた斉藤さんは刀を抜こうとしていた。


「副長を侮辱するな」と言って私を睨む。
こ、恐い…!!ここの人たちは眼力が長けているのか!?





 
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