感情の裏側

□男の子。
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「ふぅ…行ったか。」





無駄に爽やかな雰囲気で額の汗をぬぐう藤堂さん。
何がどうなっている。
確かに隣の部屋は藤堂さんだけれども。

いつの間に押入れに隠れてたんだ。
アレか、私が寝ている間に入ったのか。


原田さんを呼ぶにも、すでに姿は見えない。
でも私大声出せば聞こえると思うんだ!

ってわけで。




原田さっ………むぐ!!』




私が叫び声をあげた途端焦ったように私の口元を塞ぐ藤堂さん。
息が…!!息が出来ない!!!!




「馬鹿!!見つかったらどうすんだよ!」


いや、知りませんよ。

私は原田さんから藤堂さんを見かけたら教えてくれと頼まれているんだ。




「何のために隠れてたと思ってんだ…」


『……何をしてたんですか?狭い押入れの中で』

「だから隠れてただけだっつの!!!」





ペシッ!と後頭部を叩かれる。
髪ひっぱるぞこの野郎!

そんな事を思いつつも、私は何故隠れていたのか理由を聞いた。



















「……実はよ…、左之さんが楽しみにとっておいた酒…間違えて昨日呑んじまって…」

『うわ、藤堂さん何してるんですか』

「間違えただけだって!それに新八っつぁんも共犯だし!!」

『へー…とりあえず私二度寝していいですか


「良いわけないだろ!俺はお前に用があるんだよ」





え、さっき隠れてただけとか言ってなかった?




『用って?』

「あぁ、土方さんが呼んでたぜ」

『早く言ってくださいよ!!!!!』







あの人怒ると恐いんだから!!
おせぇ!なんて言われて抜刀されたらたまったもんじゃないよ!


「でもお前土方さんの部屋までどうやって行くか分からないだろ?」

『案内してくれるんですか?』

「おう!任せとけ!!」








見かけによらず、男らしい手に引っ張られ渡しは土方さんの部屋へと向かう事にした。







さすが男の子。





(もっと早く走れよ!)

(無理ですよ!)

(遅れて怒られるのはお前だぞ!!)

(藤堂さんもっと早く走ってくださいよ!!)

(土方さんが絡むとお前素直に言う事聞くのな!!)





 
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