ワンピース

□その視線に焦がれたりして
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今日はたいしたことの無い一日に終わりそうで、あの赤髪のシャンクスの船ともなれば、敵襲も限りなく少ない。


ゆったりとした時間の流れに身を任せ、ただ波の音とまぶしい太陽の日差しを浴びる。
そんな毎日。


「…………」


そんな静かな一日を堪能してきたのに、どうしてこの男は私のそばに来て、座り込み、さらには無言で私を見ているのだろうか。


仮にも彼は私の想い人であって、それはそれは緊張する。



『…、あの、なにか?』



そう言ってみるが、彼はニッと笑うだけで何も答えない。


気が散るのは言うまでも無くて、日光浴のために持ってきたロッキングチェアと分厚い本をめくる手は一向に動かない。



『そんなに見つめても、何もでないよ』



「ああ、わかってる」



一体なにがしたいのか。
ふう、と聞こえるように大きなため息をつくと、パタンと本を閉じた。

ああ、こんなゆったりとした時間、好きだなぁなんて思いながら、チラッとシャンクスに目をやれば、シャンクスはまだ私を見ていた。



しつこい。



『なにも出ないってば』


「いや、でてるぞ」



ハア、ともう一度ため息をひとつ。
何が出てるのか教えてほしい。
フェロモン?イロモン?
何でもいいから、見つめるのだけはやめて!



『よく飽きないね』


「ああ。楽しいからな」




にやりと笑う男。
本当にタチが悪い。


『…もー!一体何よ!何が出てるの?』



「オーラ」



『は?』



「俺に見つめられて幸せ〜ってオーラ、丸出し」



『…………!!!』








その視線に焦がれたりして

(確かに幸せだったけど!!)


 

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