再利用
□潮騒
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う・・・ん・・・
今回は、ちょっと辛いなぁ・・・
鈍い痛みに下腹部をさする。
生理痛・・・
ただでさえ、憂鬱になるのに・・・それに加えてこの痛み・・・。
でも、生理痛なんかで休んでなんていられない・・・だって、仕事しないと、海の藻くずとか、サメのエサとかにされちゃうし・・・
痛みに耐えてなんとか、甲板掃除に戻るが、下腹部の痛みに加え、掃除の姿勢がよくないせいか、腰痛まで襲ってきた。
脂汗が滲む・・・
立っていることができずに、うずくまっていると、遠くからパタパタとトワくんが近寄ってきた。
(・・・・・・・・・)
トワ「どうかしたんですか?」
「トワくん・・・ううん・・・なんでも・・・ない・・・よ・・・・・・」
トワ「なんでもない顔色じゃないですよ!!?待っててください!ソウシ先生を呼んできます!」
(とわくーーーん!待って!やめて〜〜)
甲板に声にならない叫びがこだました・・・(ような気がした)
*******
トワ「大丈夫ですか?ソウシ先生連れてきましたよ」
心配そうに覗き込むトワに軽く殺意を覚えてしまう・・・
ソウシ「大丈夫?真っ青だけど・・・」
「あ、本当になんでもないです」
ソウシ「・・・・・・」
優しそうなソウシさんの視線から逃げるように、目をそらしてしまったけど、ソウシさんは少し困ったように微笑みながら、医務室にいこうかと言い、ひょいとお姫様抱っこをして医務室まで連れて行ってくれた。
ソウシ「・・・・・・・う〜ん・・・生理痛・・・かな?」
「っ!!」
何も言ってないのに、ソウシさんはずばりと言い当てる。
ソウシ「ふふ・・。私は医者だよ?何も言わなくても、船員の健康管理はちゃんとしているつもりだよ。もちろんキミの体調管理も含めて、生理周期もね」
(・・・・・いつの間に・・・)
ふふと、屈託なく笑うソウシさんに少し恐怖を覚える。
ソウシ「女の子は体調の変化が著しいし、デリケートだからね。身体が辛いときは、我慢しちゃダメだよ?」
「はい・・・」
ソウシ「うん、じゃあ、はい。これ鎮痛剤ね」
「ありがとうございます」
ソウシ「病気じゃないからって、無理しないこと。痛いなら、楽になるまで寝てていいからね?」
「はい・・・」
それから、ソウシの提案で毎月、きちんと生理休暇がもらえるようになったのでした。
(いやーーーー!!!みんなにモロバレっ!!!私のプライバシーは何処っっっ!!!)
聞こえない叫びがシリウス号にこだましていた・・・