12/31の日記

16:51
第二話
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車が止まった。
あれ…運ばれてる?!
どうやら積みかえられているようだ…。まわりからは威勢のいい人間の声が聞こえる。どうやらここが市場というところか…。
まだ暖かい場所にいた時にとなりにいた…にんじんから聞いたことがある。
我々にんじんは畑で育ち市場に連れていかれあちこちにばらまかれると…。そのあとはどうなるのかはそのにんじんも知らないという。
違う車に乗せられた。隣の箱が見えたっ…。ん?なんだ? 僕よりも大きいが形はすごく似ている…真っ白だ…。あっちには緑がかった丸い形のものが…。はじめて見るものに囲まれ…また不安になってきた…。「きみは話せるのか?」どこからか声がする。僕は周りを見渡した。するとさっきの真っ白いものがこっちを見ていた。
「きみは話せるのか?私が見えているだろ?」
僕は迷ったが返事をすることにした。
「見えるし聞こえてるよ。あなたは何?」
すると真っ白い物体は答えた。
「私は大根だよ。きみはにんじんだね。話しができるにんじんは始めてだよ。」
僕は答えた。
「大根さん…。ほかのみんなは…話はできないの?僕はこれからどこに行くの?」
大根は答えた。
「我々のように話ができるのは…まずいない。我々は選ばれたエリートなんだよ。これからどこに行くかだって?………可愛そうに…本当に何も知らないんだな。これから行く場所は町という人間がたくさんいる場所さ。そこで我々は…」
突然大根さんは言葉を切った。そのあまりに深刻な空気を感じた僕は…言葉を無くしてしまった。

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