短編

□結局、痛み分け
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「本当に……いいのかいなまえ?僕は―――」

『ん…。いいの、ココ』

「そうか。なまえ……じゃぁ…―――」



*



腰が痛い。

一歩足を踏み出すだけでずきずきと響く。

お陰でそろりそろりとまるで夜盗のように歩くしかない。

あぁ……やっぱり昨日やりすぎたかな―――。

なまえは痛む腰をさすって呻いた。

ココの家に泊まるんじゃなかったかも。



「ん、どうしたなまえ?」



ずきん、と痛みが響いてうずくまったなまえを見て真っ先にトリコが声をかけてきた。

しつこい痛みに顔を歪めながらなまえは弱々しい笑みを見せた。



『ちょっと腰が痛くて……』

「腰?おいおい大丈夫か?…なんでまた?」



心配そうな顔をしてトリコが覗き込んでくる。

恥ずかしくなってなまえは下を向いた。

ぼそぼそと言葉を搾り出す。



『昨日……やりすぎちゃって』

「ヤりすぎた!?」

『え?う、うん……』

「んだ、どしたトリコ?」



視界が急にカラフルになった。

トリコの大声にサニーが何事かと会話に加わった。



「なまえが」

「ん」

「腰が痛いんだと」

「で?」

「ヤりすぎで」

「んだと!?」



トリコと同じく大声を出したサニーはなまえの肩をむんずと掴んだ。

途端に激痛が走る。



『っ…!痛いってばサニー!』

「なまえ、お前昨夜どこにいた」

『どこって……ココの家』

「んの野郎、美しくねー真似しやがって!」



がばと立ち上がったトリコとサニーはココを睨み付けた。

当の本人は窓際に座って外を見ている。

大股でココに近付く二人。

後に残されたなまえはサニーに揺さぶられた痛みでまだ立ち上がれずにいた。



「ココ!お前なまえに何をした!」

「どうしたんだい、二人とも血相を変えて」

「なっ、どこまでも美しくねー!とぼける気か!」

「……一体何の話をしてるんだ」



先陣を切ったトリコとサニーだったがココの返事は満足いくものではなく、逆に二人をさらに煽った。

二人の口攻撃は度を増すばかり。

まさに火に油を注ぐ、だ。
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