短編
□桜と共にあなたに微笑む
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この季節になるとあの男がやってくる。
重そうな木箱を背負って、懐かしい匂いのする煙草をくゆらせながら。
約束などしていない。
文も出していない。
それでもいつも何処からともなくやってくる。
だからこの季節は四季を通して一番好きだったりする。
無論これは私だけの秘密だけれど―――――。
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