POKEBASA本編

□03 襲撃、大坂城
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POKEBASA〜襲撃、大坂城



「覇王、豊臣秀吉か…ああいうカリスマ的な大将は速めに潰しておいた方が利口だね」

決して多くはない足軽たちの行進を遠くから見守る1人分の影があった。
その身なりは戦国の世には相応しくないものであり、その人影は鋭い嘴と鋭い目つきを持つ大きな鳥に乗っていたのだ。

「岩井の奴が何処まで潰してくれるかな…?折角ポケモンを貸してやったんだからな、それなりの働きはしてもらいたいねえ」

その人影を乗せた鳥は雲の中に消えていった。







***







「春町は日差しを強くする技『にほんばれ』を覚えているから、これを使えばいつでもポジフォルムになれる。それでチェリムの属性『フラワーギフト』で味方の特攻撃、特殊攻撃が上がる」
「なるほど、そう言えば花吹雪を出す技はなんて言うんだ?」
「『はなびらのまい』だ、でもこれは技を出し終わった後に混乱しちゃうから気を付けた方が良い」
「そっか、回り過ぎて目ぇ回したんじゃなかったのか」

沈みかけの夕日に照らされながら、大坂城を目指しているヒナギクと慶次は、ポケモン――魔獣の話題で盛り上がりながら道中を少し急ぎ足で歩いていた。
途中、慶次がポケモンの事を教えてほしいとヒナギクにレクチャーを受けていた。

「ヒナギは魔獣に詳しいな」
「私の世界では普通の事、小さな子供でも知ってるよ」
「へえ〜」
「それより、大坂城はあとどれくらい?」
「もうすぐ…」


ドガーン!!


「何だっ?!!」
「煙が……!」

巨大な爆発音とその先から立ち上がる煙、その場所は2人が目指していた大坂城があった。

「まさかもう攻撃が?!」
「行こう慶次!!トゲキッス!!」

ヒナギクはモンスターボールを投げてトゲキッスを出し、慶次に乗るように促した。

「乗って、空から行く!」
「何だコイツは?鳥?」

慶次の目の前に現れた純白の鳥は、ヒナギクと慶次を乗せて大坂城を目指した。
大阪城は既に魔獣――ポケモンたちの集中攻撃にあっていた。
覇王と呼ばれる豊臣秀吉、戦国一の天才軍師とも呼ばれる竹中半兵衛の守るこの城は相模の小田原城にも匹敵するであろう強固さと攻撃性があったが、それはあくまでも人間用であった。
魔獣用の砦や出城など今の日ノ本には無い。
魔獣たちが城を落とすなど、簡単なことであった。







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