短編
□がじがじぺろぺろ
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「ゲロ…!」
鈍い音をたてて壁に背中をぶつけ、その反動でさらに床に叩きつけられる。
たかが一回のべろりんちょでこの仕打ちとは
「酷いですー、ベルセンパイ」
床に仰向けになったまま、彼を見つめた。長く厚い前髪の隙間から覗く瞳も震えている。
「なっにするんだよ!!クソガエル!死ね!殺してやる!」
「わー。物騒な王子様ですねー」
次々と飛んでくるナイフをかわす。受け止める。折り曲げる。捨てる。
を繰り返しているとナイフがとうとう無くなったのかベルセンパイは小さく舌打ちをして、そのままベッドに倒れ込んだ。
大の字になって不機嫌そうな顔をするベルセンパイに、ミーは顔を綻ばせながら近付いた。
なんだ、そういうことか
「照れてるんですかー」
「うっせ」
「ほんっと、センパイは可愛いですねー」
自分でするのはいいけれど人からされると照れてしまうなんて、王子様もまだまだ子供ですね
なんて考えながら、ほんのりと赤く染まった頬に唇を落とした。
(もうぜってー、カエルの鎖骨なんかかじらねー)