短編
□アンチテーゼ
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豪勢な食事を食べ、ありきたりな言葉を貰って、
今日は俺の誕生日だ。
「っあー…、めっちゃ疲れたし」
そう言って勢い良くベッドにダイブした。柔らかい布地が俺を吸収する。
「…んー」
酒の臭いが鼻孔をくすぐった。
おぼつかない足取りで冷蔵庫に向かい、水を出す。
静かに含むと、口端から液体が零れ落ちた。
片手にペットボトルを持ち、再びベッドに座り込む。
さっき貰ったプレゼント等を手に取り、包装を剥がしていく。
乾いた音と共に剥き出しになっていく中身。
「ししっ、ボスらしいじゃん♪」
ボーダーのパーカーをベッドに広げる。
色は藍と黒でシンプルな感じだった。
「オカマは香水に、スクアーロは酒♪」
次々とベッドに並べられていく贈り物。
「あり?」
一つ一つに添えられたカードを目を細めて見る。「っは」と鼻で笑って、勢い良くベッドから立ち上がる。
「―あんのヤロー」
王子のナイフが脳天に突き刺さるかもな。