短編
□毒舌蛙の事情
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「むっ、お前も来たか。」
そう言って立ち上がりミーを迎える、雷オヤジ。
とりあえず、存在自体を自重してほしい。
レb(これ以上言うのも不愉快)さんから視線を背け、奥のボスに視線を移す。
「ボスー、これ何なんですかー?」
誰かの誕生日でも無いですし。と呟くとボスの目が開いた。
深紅の瞳がミーを仕留める。
「…知るか…あいつ等がピーピー勝手に盛り上がってるだけだ。」
納得いかないと脳内のミーが叫んだけど、放っておいて納得した(半強制)。
そして、再び活動停止したボスを見てミーも地べたに座る。
存在をアピールしてくるクッションを抱く。
「…あー。」
手に収まりきらないほどの固形物に、顔を埋めてから気付く。
驚きのあまり、汗が頬を伝う。
最後のは、嘘。
汗なんて出やしない。
そうじゃなくて
記憶を巡る。
ベル先輩は、何も言わなかった。
ミーの頭にあったあの滑稽なものが存在していないのに。
その不自然さにミーですら唸ってしまった。
「ますます理解できませーん」
ミーの言葉はクッションに吸い込まれて、消えた。