花炎異聞録

□第九録 地獄華
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 看護師から病室の場所を聞き出した獄寺と山本は、その部屋に飛び込んだ。
「十代目!」
「ツナ!」
 叫ぶ声に顔を上げたのは七花と、彼の肩に乗るリボーンだった。
「来たな、獄寺、山本」
「リボーンさん、十代目は……!」
 獄寺はその部屋の中心に置かれたベッドに気が付いた。
 そこに眠るのは。
「じ、十代目!」
 目を閉じているツナだった。
 顔に血の気は無い。しかし寝息は静かで、表情も穏やかだ。
「傷はかなり深かったが、急所は外れていたらしい。命に別状はねーぞ」
 リボーンの言葉に、獄寺はしばらくツナの顔を見た後、安堵のため息をついた。
「よかった……十代目が無事で……」
 よほど安心したのか、その場に座り込む。全身が弛緩してしまったかのような様子だった。
「……でも、一体何があったんだ?」
 山本もほっとしたのか表情を緩め、しかしすぐ真剣な表情に戻った。
「すぐ話す。その前にここから出るぞ。ツナはさっき、麻酔で眠ったところだからな」
 リボーンは親指で、まだ開かれたままだった扉を指差した。




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