書庫V
□見抜くその瞳は
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自分から見た世界は、醜い黒だった。
様々な色が混ざりあって生まれた黒。赤だったり青だったり緑だったり――それら一つ一つなら美しいけれど、混ざってしまえば皆等しくその美を失った。
自分自身もそうだ。全身を包む黒い服は職業を表しているだけでなく、己自身を皮肉ってもいた。
きっとあいつもその黒の中に埋もれてしまうんだと、そう思っていた。
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