異世界の守り人
□滝の洞窟
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翌日、最後に起きてきたのはアリィシアだった。
なぜかすっきりしない顔でかぶりを振っている。寝不足という感じではないが、疲れはあまり取れてなさそうだ。
「アリィシア、どうしたの?」
エイトが尋ねると、アリィシアはあー、と呻いた。
「昔の夢を見てな……その、あまり思い出したくない夢だったから」
何で今ごろあんな夢を、とぶつぶつ呟いているアリィシアを見つめながら、エイトは内心ほっとする。昨夜の自分の質問のせいではないかと少し気になっていたのだ。
ただ、アリィシアのあまり思い出したくない記憶というのは、少し興味があったが。
しかし今は、そんなものを気にしてはいられないだろう。
「早く朝食食べちゃってよ。僕とヤンガスは陛下に朝食届けに先に街から出るから、早めに来てね」
「んー……」
アリィシアは反応の鈍い返事をして、食堂の方へと向かっていった。
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