書庫V

□守護者の匣談義
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「……ロール」

 空気が固まった。
「……はい? 今何て?」
「だからロール」
 少し苛々気味に雲雀が言う。ツナは思わずすみませんでした、平謝りした。
「なかなかいい名前じゃねーか」
 リボーンがニッと笑った。
「ちなみに由来は?」
「丸くなるから」

 すげぇ単純な由来だーーー!!

 雲雀が名前を付けてた時点でビックリしていたツナは、ますますびっくりした。
「い、意外過ぎる……あ、すみません、何でもないです。えっと、次は」
「俺のは漢我流だーーー!!」
 突然の大音量。何なんだとツナがそちらを見ると、了平が雄叫びを上げていた。そしてなぜか匣を開匣させた。
「見ろ、俺の頼れる相棒を!」
「この芝生頭! 何勝手に開匣させてんだよ!!」
「何を言っとるのだ、タコヘッド!」
「誰がタコヘッドだ!!」
「ちょっ、二人共落ち着いて!」
 また始まったいつものやりとりを見て、ツナは獄寺と了平を慌ててなだめにかかった。
 そんな中、山本、雲雀、クロームの周りはなぜか平和だった。ディーノとスクアーロも、世間話を始めている。
 誰か手伝ってくれ、と、ツナは涙目になりながら祈った。
 しかし、誰にもその祈りは届かない。
「なぁ、クロームは匣アニマルに何て名前付けたんだ?」
「私?」
 山本がにこにことクロームに尋ねた。いつものことだ、と、山本は流したようである。天然ゆえのスルースキルだ。
 一方のクロームは、目の前の漫才のようなやりとりに、きょとんとした目を向けていたが。
「私は……ムクロウ」
「骸……!?」
 雲雀がぴくりと反応した。それに対し、クロームは首を振る。
「違う。ムクロウ」
「……そうなの?」
「うん」
 頷くクロームに、雲雀はまだいぶかしげな顔を向けていた。
 雲雀の疑いは間違ってはいない。クロームの匣は骸が憑依していて、でも今はいなくて……
 ……なんかややこしくなってきた。ツナは頭を抱える。
「……はぁ。あと聞いてないのは」
「アホ牛だな」
 リボーンがツナの呟きに答えた。
「そういえば、ランボはどこに?」




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