異世界の守り人
□幕間「バルガとの出会い」
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「一つ、約束してくれ」
アリィシアの言葉に、バルガはごくりとつばを飲み込む。一体何を言われるのだろうか。
「私の言うこと……いや、言動だけではない、私の全てを信じてくれ」
「え……?」
「口で言うほどに、これは優しくないぞ。正直こう言うのはためらわれるが、これができなければ私は貴方を仲間にしない」
アリィシアの目は、本気だった。
バルガがほんの僅かでも疑えば、彼女はあっさりバルガを捨てるだろう。そう思わせるような気迫が、彼女にあった。
それでも。
「あぁ、解った」
バルガは迷わない。
即断即決。
バルガの信条である。
「……ふ」
それに対し、何がおかしいのか、アリィシアは吹き出した。
「え! 何で俺笑われてんの!?」
「あ、ごめん。あまりにも迷いが無かったんで、つい」
アリィシアはくすくすと笑った。
初めて見た笑い顔は年相応だったと、後にバルガは語る。
その時はまだ、アリィシアと自分の関係の変化の予測などしていなかったし、できるはずなかった。
この時点ではまだ、淡い恋心を抱いた程度である。
「よろしく。私は、アリィシアだ」
「俺は……バルガ。僧侶をしてる。えっと、よろしくな」
これが後に勇者とたたえられる星の守り人と、その仲間の一人であったパラディンの馴れ初めである。
幕間終了
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