異世界の守り人

□滝の洞窟
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 洞窟の最深部。エイト達は立ち止まっていた。
「何で水晶玉が浮かんでるんだろう……」
「しかも滝の中で……」
 エイトとアリィシアは呆然と呟く。
 言葉通り、水晶玉はなぜか流れる滝の中に浮かんでいた。
 何らかの魔法によるものなのか、それとも水晶玉自体にそんな力があるのか、どちらにしたところで奇妙な光景である。
「さっそく取るでげすよー」
 しかし、ヤンガスにはあまり関係の無い話らしかった。
「お、おい待てヤンガス! 疑問を持てっ」
「そうだよ! どう考えてもおかしいって」
 アリィシアとエイトの制止も聞かず、ヤンガスは水晶玉に手を伸ばし――

 ザッバアァァァァンッ

 突然水しぶきが上がった。
 滝壺から這い上がるようにして、魔物が現れたからだ。
 オレンジのうろこに覆われた上体に魚のような下半身。どうやら半魚人のようである。
「くっくっくっ……やっと現れたな……」
 半魚人はエイト達のいる岩場まで登り上げ、こちらを睨みつけてきた。
「貴様らがこの水晶玉の持ち主だな!」
「あ、えっと」
 エイトはどもる。持ち主ではないが水晶玉を求めているのは事実なので、どう答えるべきか考えあぐねいているのだ。
 だがその内にも、半魚人は一人勝手に話を進める。
「今までつのったこの恨み、ここで晴らしてくれる!」
「は、はあぁ!?」
「このザバン様の恨みを受けるがいい!」
 そう言って、半魚人は襲いかかってきた。



続く…
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