異世界の守り人

□ザバン
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「ヤンガス、おまえは馬鹿か!? だから疑問を持てと言ったろう!」
「す、すまないでがす!」
 ザバンの猛攻を避けながら、ヤンガスはアリィシアに平謝りしていた。
「どうする!? 説得する?」
 後ろに跳んだエイトを追いかけるように同じく跳んだアリィシアは、首を横に振った。
「思い込んでなきゃまだその余地もあったろうが……無理だな、戦っておとなしくなってもらうしかない。最悪倒してしまいかねないが――」
「よーし、暴れるでがすよ!」

『いや君(おまえ)は少しは学習しろよ!?』

 エイトとアリィシアのツッコミが綺麗に決まったにも関わらず、ヤンガスは棍棒を振り上げてザバンに向かっていった。先程の失敗は、どうやらかなたに飛んでいったらしい。
「っらあ!!」
「ぐぬっ」
 ヤンガスが振り下ろした棍棒を受け止め、ザバンは呻いた。防いだとはいえ、全く効いていないわけではないらしい。
「あぁもう! 一人で何とかなる相手だと思ったのか!?」
 アリィシアは剣を抜き払って走り出した。
 あと一歩踏み出せば刃が届く――というところで。
「こしゃくな!」
 ザバンの手から、黒い霧が吹き出した。




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