異世界の守り人

□船上の攻防戦
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 宿でゆっくり休んだ翌朝、真っ先に起きたアリィシアは早々に寝間着からフェンサードレスに着替えていた。
 剣を帯び、盾は今腕に通すべきか否か考えていると、扉がノックされる。
「アリィシア、起きてるー?」
「おう。入っていいぞ」
 アリィシアがそう言うと、エイトが顔を覗かせた。
 鎧は着ておらず、槍もまだ背負ってない。
「もう朝食すませちゃった?」
「いや、まだだ。そっちは?」
「僕ついさっき起きたとこなんだよね。ヤンガスはまだ寝てる」
「起こしてから訊きにこいよ……寝過ごすとまずいし、叩き起こすぞ」
「遅いとゼシカがうるさそうだもんね」
 顔を見合わせ、思わず笑い合う。その様子が妙にはっきり浮かぶものだからおかしなことだ。
 そんなことをしている内に、エイトとヤンガスの部屋に来ていた。
 アリィシアは率先して扉を開け、いびきを立てて眠るヤンガスに近付いた。ステテコパンツ一枚にも関わらず、アリィシアはかまわず傍に寄り。
「おい、起きろヤンガス。朝だぞ!」
 蹴り上げた。ふとんとヤンガスの身体の間に爪先を入れ、彼の巨体を空中に浮かび上がらせたのである。とんでもない脚力だった。
 一方ヤンガスは、ベッドから床へ落ちる。どしゃっ、という床が抜けるかと思ってしまうような音と一緒に、ヤンガスの低い悲鳴が上がった。
「ぐぇっ! ……あ、姉御……おはようごぜぇます」
「おはよう。支度しろ。朝食をすませたら魔物討伐だ」
 さわやかに笑うアリィシアの後ろで、エイトが苦笑していたのは言うまでもない。




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