風神

□高校一年生 夏と試練
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私は勉強の遅れている荒北に期末テストの特訓する事から始めた。

補習で夏休みを無駄に出来ない。

インターハイの裏方もあるんだから。


すると、何故か尽八や寿一、隼人も一緒だった。

「夏は忙しいとかさぁ…有り得ないだろぉ?」

靖友はイライラしている。

「お前なぁ!桜の貴重な時間を貰い受けておきながら!」

尽八までイライラしてしまう。

この週末が明けると直ぐに期末テストだというのに賑やかだ。

「そう思うなら、尽八も協力して欲しいのに…」

「まぁ、無理だろ。」

パワーバーを食べながら黙々と勉強する隼人。

「放って置けばいい。困るのは自分だからな。」

寿一まで黙々と勉強する。

「私は荒北の勉強を見ないと意味ないのに…」

私が肩を落としていると、尽八が慌てる。

「よ…よし!ならば!ここの全員が補習を免れ、無事にインターハイを終えた暁には!

老舗と呼ばれる箱根温泉旅館の我が家!東堂庵へここの全員を招待するぞ!客間は用意出来ないが、母屋にも立派な部屋はある!温泉は入れる様に頼んでおこう!」

尽八の提案に皆の手が止まる。

東堂庵とは…箱根温泉旅館としては中々に有名でお高い旅館だ。

「なら、温泉に入るお金は私の貯金から出すよ。これでも貯金は100万以上はあるんだから。」

これで皆のやる気を得られるなら、マネージャーとしてはありがたい。

「やるか。」
隼人の言葉に寿一が頷く。

「しゃあねぇっ!ただで温泉!なら、やってやらぁっ!」

靖友が本気を出して勉強を始めた。

私はホクホクと嬉しくて、尽八に抱きつく。

「ありがとう、尽八!たすかったよ!」

尽八の顔が真っ赤になっている。

「桜…は俺や自転車部のために頑張っている。困っているなら協力するだろ…。」

ここの全員が私を労ってくれているからこそ、私のメニューは絶対にこなす。

だから、私は更に強くなるためのメニューを考える。

「みんな、ありがとう。頑張って夏を乗り越えよう!」

私達はまず、期末テストに向けて頑張り始めた。
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