悠久

□運命の出会い
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遥か
遙か

昔。

私の魂は仙人の住まう仙界にあった。

私が黄帝の娘だった頃。

私は婚約者だった竜王とその兄弟が仙界を追放された事を憂いて、仙界から逃げる様に地上に降りた。

それから幾年も経ち、私は私の心を埋めてくれた存在と恋をして子供を産み落とす。

仙界からの苦情は全て突っぱねた。

しかし、事態は悪く回り出した。

神が持て余した力を刀に変え、封印を成した。

その守り人に私の娘の玉依姫が選ばれた。

その時に父である黄帝が頭を直々に下げにいらしたので、断わりきれなかった。

そして、玉依姫の腹違いの姉、豊玉姫は己の姿や力を玉依姫と比べ、己を卑下し、玉依姫を憎み、愛した男との子供の育児を放棄する様になってしまう。


玉依姫は見兼ねて、その子供を自分の娘の様に可愛がった。

そして、子供を取られたと勘違いした豊玉姫は怒りに任せて玉依姫に攻撃した。

その母親の姿に心を痛めた娘は、自らが立ち上がり、玉依姫と豊玉姫の仲裁を試みるが難航する。

そして、分かり合えるその時まで豊玉姫を眠らせる決断をする。

玉依姫はその娘の心の強さに敬意を評し、玉依姫を名乗る事を許し、私に豊玉姫を守る力を与える様に懇願した。
私は豊玉姫の娘に力を与え、豊玉姫を守る事を許した。
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