novel

□消失
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がらっ





「……只今戻りました、隊長…」





恋次が三番隊隊舎から戻ってきたのを目で確認し

書類に目を戻す


だが、何かが引っ掛かり、また恋次へと視線を向けると

行く時は普通の表情だった恋次が

今は顔面蒼白になっているのに気付く





「吉良に書類を渡してきました…」





そう言った恋次は自身の机へとつき

深い溜息を吐いた





「…………どうしたのだ…」





そう問うと、恋次は視線を一度こちらに向け





「…いえ、…何もないです……」





そしてまた俯いた

どうしたのだ、恋次は……





「恋次………、あやつはどうした」

「………あいつ…?」


「貴様が探してくると言い、書類を持って行ったのであろう」

「そうだ…………。隊長…、そいつの名前って…何でしたか…?」

「恋次、貴様解らぬのか…?……あやつの……名は………あやつの………名………____…?」





そこまで言い、気が付く

あやつの名……名が解らぬ…………

あやつは…____




呼びたい名は何だ?
(あやつの名は…____。空白が埋められない)








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