novel

□さようなら、愛してた
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振るえる手で刀を握る
その切っ先を、目の前に立つ虚へと向ける


今まで幾度なく虚を切ってきたが
今回は、今までとは違う



「……一護…」

「ア゙アァァァ…」



さようなら、愛しい人

どうか俺を、許さないでください





もしやり直せるならよ

また二人で一緒に現世の夏祭りでも行きてぇな
あの、空に咲く綺麗な花火を、一緒に見たいな




でも、駄目なんだ

もう戻れない事なんか
オレが一番よく分かってる

もう二人は違う道を進んだから…






尸魂界で、
『死神』のオレは、『人間』のお前に会った
敵同士なのに、男同士なのに

それでも、好きになった




お願いだから

悪いのは全部オレだから

そんな優しい目をしないでくれ




敵同士で会ったがいつの間にか
恋に落ちた

仲間という関係で沢山の時間を共に過ごした
二人で花火を見た
沢山、思い出を作った



そして
全て終わりを告げた




刀を構え、切っ先を虚の喉元へと

刀を握る手が小さく振るえる


オレは最後に「ごめん」と言った
一護は最後に…


ありがとう、愛してた


もしやり直せるならよ

また二人で一緒に現世の夏祭りで
花火でも見てぇな

心配すんな
きっとすぐに会える
ずっと一緒に居たいと
ずっと願っていたから





Song by...最後のリボルバー/GUMI


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